クリムト展へ行って来ました。(最近は、気になる展覧会は前売りを買って、会期ギリギリでかけるという…)クリムトを含め、1900年前後のウィーンに花咲いた、ウィーン工房、分離派、などJugendstilの美しさは、私の中で格別の輝きを感じる時代です。今回のお目当ては ポスターにもなっている「ユディトⅠ」。いや〜、ゾクゾクしました。目線の角度といい、微笑み方といい、男性の首の支え方の手のエレガントさといい!官能と残酷さを優美に訴えかけてくる。目を合わせると嘲笑されているような、誘われているような、妙な魅力に心が溶かされます。この1枚だけでも、けっこう満足しました。
「鬼火」もファンタスティックでした。鬼火からインスピレーションを得て、ファム・ファタル(運命の女)へ昇華するクリムト。リストの「鬼火」も、こんなインスピレーションを得ながら弾くのもアリ?!と思ってみたり。
ベートーヴェンフリーズは、本物を見たことがあります(今回は複製で再現)。第九にインスピレーションを得ている作品。ベートーヴェンが、音楽のみならずウィーンの芸術家にとって、どれほど大きな存在であったか。
「総合芸術」を目指すことで、人間の生命の根源へ近づこうとした点に、心惹かれます。音楽も文学も哲学も美術も医学も、全てのことが繫がっている。影響を与え合う芸術の姿に、勇気づけられます。そして筆タッチの多彩さ。これは、ピアノにもそのまま通じるなぁ、と。圧倒され、パワーをもらってきました。