2年半ぶりの来日でタイトなスケジュールの今峰先生にお願いして、特別レッスンを開催しました。1日目サン=オートムホール、2日目我が家のレッスン室にて、小5〜指導者、幅広い年齢層の方が受講。私もレッスンを受けてきました。

Beethovenのソナタでの受講が多く、13番、17番、21番、22番、30番、31番と並びました。先生の徹底した譜面の読み、ニュアンスの細やかさ、練習の仕方を教わっていると、あ〜ドイツのレッスン!とじわじわと細胞が動き出すのを感じました。

先生から、いくつか興味深い話があったので、おすそ分けします。

レパートリーを持つようになる時、ある程度のところまで「自分で創れる」スキルが必須。大きな国際コンクールともなれば3時間にも及ぶプログラムを用意することになり、レッスンに持っていかない曲をどう練習に組み込みレヴェルを維持or高めていけるか。この力が育っていないと、レパートリーの拡大が難しくなってくる。

この話を聞いていて、30分〜60分規模のプログラムであっても同じことが言えると感じました。全部先生に指摘してもらって、それでも何週間も直らないということを続けていれば、当然このスキルは育つはずもないわけで… 自分に合った効果的な練習のレシピを作っていく意識、今一度見直したいレッスン内容と強く感じました。

もう1つ「最初の1音からハッとさせてほしい」という言葉。毎日練習していると、どこかルーティーンになりやすい。いつも聴く人を異世界へ連れていくような音の魅力を求め、音楽がマンネリ化しない練習の意識を。

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今峰先生自身、国際コンクールでのキャリアを重ねられ、その意味や厳しさ、現実を十分理解されながらも、必ずその先にある「芸術」を見据えてレッスンしてくださるブレない姿勢にいつも感動します。そして「あ〜、音楽を創るってなんと素晴らしいことだろう」と思わせてくださるレッスンです。先生は日本でのお仕事を終わられたら、イタリアのCasagrande International Piano Competition(カサグランデ国際ピアノコンクール)の審査員を務めます。

参加くださった受講生の皆様、ありがとうございました。

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<プロフィール>

2002年、弱冠32歳の若さでミュンヘン国立音楽大学ピアノ科教授に就任。その後、国際講習会の講師として招聘されるなど、後進の指導に力を注ぐ。ドイツ音楽コンクールの審査員を勤める等、ヨーロッパを中心に多方面の活動を行っている。

大阪府出身。関西学院大学文学部大学卒業後、ミュンヘン国立音楽大学に入学。'94年最優秀の成績で卒業。その後ドイツ学術交流会(DAAD)奨学生と して、同大学院マイスタークラスで学び'96年修了。またローマのサンタ・チェチェリア音楽院にてさらに研鑽を積む。シューベルト国際コンクール第1位、アレッサンドロ・カサグランデ国際コンクール第1位、ゲザ・アンダ国際コンクール第3位、エンノ・ポリーノ国際ピアノコンクール、ハエン国際コンクールで入賞、など数々の国際コンクールで成功を収める。

ミュンヘン交響楽団、スイストーンハレ交響楽団、ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団、コンスタンツ南西フィルハーモニー管弦楽団、ウエストファレン・フィルハーモニー管弦楽団、飯森範親氏指揮ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団と共演など、ヨーロッパのオーケストラのソリスト に招聘される。ヨーロッパ各地でのリサイタル、主要フェスティバルに招待されるなど、活発な演奏活動を行う。室内楽の分野でも活躍、指揮者のロリン・マゼール氏、元ベルリンフィル首席クラリネット奏者ウルフ・ローデンホイザー氏、オーボエ奏者インゴ・ゴリツキ氏等と共演。2016年には日本のLIVE NOTES レーベルより『今峰由香 プレイズ ベートーヴェン』をリリース。レコード芸術特選盤。

今峰由香先生のホームページ→ Yuka Imamine HP

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