2月の新潟柏崎ステップ以来のホールでのアドヴァイザーへ。ジャスミンTACHIKAWAステーションのステップ、ピアノとVnのデュオ・トリオ・カルテット、とオール室内楽プログラムです。故・多喜靖美先生が立ち上げられたステーションをチェリストの篠崎由紀先生が引き継がれてから、初めての開催だそうです。多喜先生のジャスミン室内楽セミナーの話は、私がお世話になっている先生方が参加していらして、度々伺っていました。

ほとんどの参加者がピアノ指導者の先生で、時間をかけて勉強されてきたとあって聴きごたえがあり各部が短く感じられました。指導の仕事をしながら自らも研鑽を積むことは、時間・体力・気力・全てにおいてハードなはず。それを超えた純粋な音楽への愛情を、先生方の演奏から感じました。なんとチェロを学び参加されていた先生も。共演の先生方のテンション・集中力のキープにも圧倒されました。コロナ禍において、音楽を通じてのコミュニティのあり方、という点においても感じることの多いステップでした。

アドヴァイザーをご一緒させていただいた藤田先生とは、同じ15回大会のピティナに参加していたのです。その年は上野精養軒で表彰式でしたね、など昔話も。感染症対策など何かと気を遣ってくださったステーションの古屋先生にも大変お世話になりました。

今や私は指導中心の生活を送っていますが、学生時代から合わせが好きで、管・弦・歌、そしてオケ中と経験させてもらうなか、それぞれの分野のスペシャリストピアニストの凄さも目の当たりにしてきました。ソリストのピアニストと何が違うか・・・色々あると思いますが、その一つに打点の入り方があります。特にオケ中では、管・弦の発音より鍵盤の方が早く出てしまう傾向にあるので、ものすごく「待つ」感覚。もちろん出損なってもマズイし、この感覚は一昼夜では身につかない経験がいることを感じました。歌もしかり。ドイツ歌曲を勉強していた時は、日本語にはない発音のタイミングをネイティブのドイツ人歌手と合わせていくのに、何度も録音を聴き返したのを思い出します。仕事をするようになってから「室内楽の仕事だけは、どんなに忙しくても受けた方がいい」とアドヴァイスをもらったことも。それだけ音楽家として大事なことが詰まっている現場が「合わせ」。昨年Vnの相川さんと共演して以来、合わせはご無沙汰なので、室内楽が恋しくなりました。

会場のチャボヒバホール、綺麗でモダン!ベーゼンドルファーが気持ちよく響いていました。

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