2/11(水・祝)は、「日本バッハコンクール全国大会」小学5・6年Cの審査で光が丘IMAホールへ伺いました。全国から87名の方が欠席無しで参加。シンフォニアorフランス組曲の選曲です。

シンフォニアはピアノ学習においてのキーポイントになるテキスト。というのも、私の生徒たちもそうですが、2声インヴェンション→3声シンフォニアへ移行するとき、1つ声部が増えるだけで、脳や指遣いの回路を作るのに、慣れるまで時間がかかるのです。私自身、シンフォニアを学習していた頃、1つ合格をもらうと嬉しい反面、新たな課題をもらって「あ〜、また譜読みして指遣いを考えなきゃ」とちょっとブルーにもなったものです(笑)。でも、人間って粘り強く学習を重ねていくと、だんだん出来るようになるから不思議です。

この複雑さが煩雑と感じる人も少なくないかもしれないのですが、ここを超えてくると、譜面の読み方が俄然立体的になってきます。譜読み、というのも面白いもので、初めは「音とリズムと拍子を指遣い通りきちんと読める」ところから、調性には種類があり、和声にもキャラクターがあり、リズムには踊りの弾みがあり、メロディーには音程や動きからくる呼吸・フレーズがあり、曲全体には構成があるetc…ということを理解することで、だんだん深く多角的に読めるようになってきます。それらを楽器を通じて響きにし、感情や知性に訴えかける「音楽」という世界が成立する。シンフォニアはまさにこれらのことを学習する「ミクロコスモス(小宇宙)」なテキストです。平均律曲集という「マクロコスモス(大宇宙)」を面白く読めるようになるためにも、この世代の皆さんに、引き続きいいポリフォニーの勉強を続けてほしいと願います。フランス組曲も舞曲系のリズムを勉強する宝庫ですね。6曲ともキャラクターが違って魅力的です。拍子・リズム、身体に馴染ませていくことで、その他の曲の感じ方へも良い影響があると感じます。

「細やかな耳」を育てることへも、バッハ学習は欠かせないことを改めて再認識しました。バッハが、子供や弟子を育てる「教育者」としての視点もずば抜けていることの凄さを、年を追うごとに受け取っています。お世話になりました審査員の先生方、そして運営スタッフの皆様、ありがとうございました。ちょっと余談。偶然、運営スタッフに元生徒がいました。彼もバッハコンクール出身。今年が16回目と伺って、参加していた子がコンクールを支えている循環を、嬉しく思いました。今回参加している子供達の中にも、音楽の世界を次世代へ引き継いでいく人材が出てきてくれることを願っています。

次回のブログもバッハについて、を予定。3/22「小林仁の眼差し Vol.9」〜平均律1巻の場合への意気込み⁈など、書きたいと思っています。

 

 

 

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