12/2は現音フォーラムコンサート第2夜@東京オペラシティリサイタルホールに出演しました。堀切幹夫氏の「幼年時代より」を及川夕美さんと初演。全10曲(17分)からなる小品集で、作曲者の回想が綴られた物語のある作品でした。弱音への細かい変化やセカンド→プリモへの引き渡しなど気を遣う場面が多く、それが内面の機微の表現へ直結するので集中力勝負の本番でした。

夕美さんは現代作品や新曲初演のスペシャリスト。合わせの時からお世話になりっぱなしでした。初共演でしたが違和感なくリハーサルが進み、若い頃に同じ空気を吸っている繋がりを感じました。翌日、ネット配信のアーガイブで自分の演奏をチェック。他の方の演奏も拝聴できました。新曲初演のお仕事は、作曲家から直接話を聞けたり指示を受けられるのが興味深く、勉強になります。

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12/5はバッハコンクール予選汐留地区の審査へ。今年は本郷に続き、こちらの会場の審査もさせていただきました。汐留、初めて伺いました。ヨーロッパ風の石畳で(イタリア街と呼ばれているそう)綺麗な街!東京に住んでいても知らない景色がまだまだあるのですね。会場になった汐留のベヒシュタインサロンは、もうすぐ日比谷へ完全移転だそう。素敵なサロンでした。

バッハは特に「基本」ができているかが聴こえてきます。バランス、ハーモニー、拍、リズム、構成、調性etc…こうした内容が理解されて聴こえてくるかどうか。ピアノは音数が多いのと、左右別の動きをしなくてはならないので、それだけで手一杯になりがちなのですが(←ここまでくるのにも相応の時間がかかる💦)、その先の勉強こそが上達には欠かせないので、聴き方や空間感覚を意識した「反復練習」に、根気強く取り組んでもらえたら、と思いました。

「反復練習」の威力は大きいです。正しい方向へ反復練習しないと意味はないですが、生徒を見ていると、家での「やっているつもり」は、緊張する本番では通用しないことを認識し始めると、しつこい「反復練習」へ向き始めます。私自身の感覚だと「狂ったようにやる」ところまで行かないと、クセの改善や修正ってなかなか定着しない。「本番が心配、怖い」という感情を持つことはネガティブな面だけではなく、その緊張感をイメージしながら日々の練習に向かえるか、曲の質量がハードになればなるほど、大切になってくる要素と感じます。

審査をご一緒した菅生先生、前先生、そして主催の本多先生・水谷先生はじめ運営スタッフ皆様にも感謝申し上げます。経験豊富な先輩先生方と一緒に過ごさせていただき、充実した1日でした。

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