あっという間に新年度🌸 受験生だった生徒は、4月から念願の環境で音楽家へのトレーニングをスタートさせます。「受験」は自分と深く向き合う時間。苦手や嫌なことにも取り組むと同時に、得意な面や長所もクリアになってくる。そして、決断、出会い、勇気。時にはしんどさも味わいながら、それらを力にして練習や行動に移してきた姿は立派でした。「自分軸」強化になった受験期だったと思います。

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まだまだ道半ばではありますが、それでも若いとは言えない年齢になってきて感じることは、学生を終えてからの方がずっと長く、生きていくには自分オリジナルの「取扱説明書」が必要になってくるということ。角にあちこちぶつかって「イテテ」を繰り返しながら、少しづつ取扱説明書の項目を増やしていく感覚があります。そのひとつをシェアします。

これを痛烈に感じた最初の体験が、大学受験でした。私は1年浪人をしています。現役で友人たちがごそっと大学生になって、自分の不甲斐なさと取り残されたような気持ちで、ヒドイ落ち込みようでした。胃のなかにずっと石があるような状態…次の受験でうまくいく保証もなく、学校生活もなくなり途方にくれていました。

そんな様子を見かねた母が、私をドイツ語学校に放り込みます。全く予備知識がない中、青山にあるゲーテへ半年間週3回、かなりのハードワークでした。ここでのことが3年後に役立つとは思いもせず…

月日は流れ、大学3年の時に、ドイツから来日されたシルデ先生に出会うことになります。私はゲーテでのトレーニングがあったので、ドイツ語でレッスンを受けることができました。そして、ドイツ留学へ本格的に動くことになります。もし浪人していなかったら…ドイツ語を集中的に学ぶことも、シルデ先生に習うことも、ドイツ留学もなかったかもしれない。あの時の自分に「その痛みは意味のあることだった」と言ってあげたい、と思いました。この浪人には、そのほかにも沢山の出会いやチャンスが付いてくることに。すぐにはわからなくても、行動へ繋げていれば道が開かれていく、と思わせてくれた体験でした。

生徒たちにもよく言うのですが、プラス⏩プラス、の方が成長の伸び率としては難しい。人間とは弱いもので簡単に慢心します。マイナス⏩プラス、ここへの「行動」こそが、自分の「取扱説明書」追加に絶好のチャンス。「イテテ」の時は、忍耐や痛みを抱えながらで確かにシンドイ。でも勇気を持って行動へつなげることで、新たな出会いが広がり「自分軸」も太くなっていきます。

あともうひとつ、私の人生取扱説明書からシェア。「何だかこういう方向へいくと、いつもうまく運ばないし、硬い感じになるなぁ」と思ったら、そこは適性ではない、という合図もあリます。いい意味で諦めることで(他の人に任せる)、自分のいくべき道が見えて楽になる時もあります。

若い頃は横軸でジャッジされることが多く、それに惑わされてしまうこともあるけれど、やはり一番大事なのは「自分を生きる」ことなのだと思います。他人にはなれないのだから、自分が何に興味を持ち、適性があり、どんなことへ役立てそうで、そして楽しいと感じるのか。その縦軸を濃くしていくことを、自分の生徒たちには忘れないでほしいと願っています。

受験はもちろん結果も大事ですが、それをどう展開させていくかの方が何倍も大事だとも思います。思い通りになった人もそうでなかった人も、人生の岐路に、私からのエールです。

 

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