のサイトを見てくださっている方の中には、10代のピアノ学習に関心がある方がいらっしゃると思います。参考までに、今までの私の経験から「音高音大受験」に関して書いてみます。

 音高音大受験に関わるようになって15年。毎年受験生を送り出し、これまでのべ52名をサポートしました。音高音大を目指すということは、中高生の時点で「音楽のプロになりたい」意志がある人、と私は受け取ります。もちろん、その後方向転換する人もいます。しかし、まだ漠然とではあるかもしれませんが、将来仕事へと繋げていきたい、と思っている人たちです。

音高音大で学ぶメリットは、同じような目標を持つ同世代と、より専門的な知識を学べることです。ピアノ専攻も実技だけでは不十分で、ソルフェージュや音楽史、アンサンブル、和声、アナリーゼなど、様々な知識を学ぶことで音楽の理解を深めます。また、この業界は卒業後、学生時代の繋がりで仕事をしていく部分も大きいので、人脈作りには最短と言えます。

<ピアノか勉強か>

ピアノが上手い子に勉強ができる人が多いという話はよく聴く話で、当然だろうなぁ、と思います。声部を聴き分け、弾き分け、指の機敏さ、譜面の読み取りなど、ピアノには複数のことを同時に処理する能力が培われます。こんな複雑なことを小さな頃から日々やっていれば、学校の勉強のコツを掴むのはそれほど大変ではない、というのは理解できます。

 それだけに、「受験」が迫ってくるなか、本人はピアノが好きなようだけれども早いうちから音高音大を目指させてて良いものかどうか、選択に悩まれる親御さんも多いようです。その大半は、音楽家は稼ぎが少ないから職業にするにはちょっと・・・という話。確かに、小さな頃から多大な労力と時間を割いて身につけた割には、相応の稼ぎにはならないと思う方がいても当然です。

 <音楽を仕事にするとは>

仕事=稼ぐ、これがメインであることは確かです。でも、仕事をしていくと「稼ぎ」だけの視点では語れない部分も出てきます。音楽職の最大の魅力は、何と言っても好きなことを仕事にできる点、また技術職なので自分の人生スタイルに合わせて働き方を変容させることができます。

特に最近の若い音楽家は、自分でクリエイティブなマーケティングをどんどん開拓しています。動画などでの発信、仲間とのコラボなど、これからを見据えたワクワクするような場を広げている姿は、固定概念を超えた音楽家像を感じています。枠に収まっておとなしく生きていくのはイヤ、オリジナルな生き方がしたい、という起業精神旺盛な若者も増える中、音楽家の可能性は大きい、と予感しています。好きであればこそ出てくる「発想」が、新たな職業を生んでいくのだと思います。

好きな分野で仕事ができる充実感は、何にも変えがたいです。勉強することは山ほどあり、定年のない一生の仕事。興味への探求と設備投資、そこで得られる人との繋がりやワクワクへ費やしていく、そういう生き方をしたいなら、自分のエネルギーを音楽へ思い切ってかけていく選択も大いにアリだと思うのです。

次回は、ピアノにはどんな職業があるのか紹介していきます。そして次々回から、音高音大へ入るには具体的にどんな準備が必要なのか、本題へ繋げていきたいと思います。

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