音高を目指す(orかもしれない)中学生のレッスンで特に意識しているが

1、自立の一歩を踏み出す

2、練習・基礎の積み重ね

3、中3夏までに実力をどこまで伸ばせるか

この3点です。

1、自立の一歩を踏み出す

音楽は幼少時から親が関わる部分がどうしても多いので、徐々に「自分」の責任でやっていくことを、意識してもらっています。入門の時期にもよりますが、中学生からは、送迎はしてもらっても、1人でレッスンを受け、復習も自分でするように促します。コンクールや発表会など、まだまだ親が関わってもらう部分も大きいのですが、まずはレッスン内容を自分で消化することを習慣づけてもらっています。一時期、親が離れることで直りが遅かったり、本番までに仕上がらなくて結果が出なくも、私のところではOK。少しずつ「自分のピアノ」という意識を持ってもらいます。私との連絡も、本人と直接やり取りするようにシフトしていきます。急に離し過ぎないように気をつけながら、本人・親・指導者の距離感を自立へ向けてスタートしていく時期、と考えています。

2、練習・基礎の積み重ね

例えば、学校の部活で、全国クラスのブラスバンド部の練習量は朝・昼・放課後はもちろん、土日や長期休みも返上して、と聞きます。それでも彼らの中からプロを志して音楽家になる人は稀です。音楽家を目指すならば、本格的に練習する習慣が大切。音高を目指すなら、学校のある平日は3時間は切らさないように、土日は4~5時間は確保したいです(自主的にそれ以上やる人も、もちろんいます)。

これは小学生で一生懸命ピアノをやっていらっしゃる方にお伝えしたいのですが、幼少期に、コンクールの課題曲を必死に仕上げて入賞することが「ピアノの上達」ではないです。この時期に、ある程度の量の教則本やバッハ、古典をはじめ様々な作品に触れておくことの方が、音楽の理解・興味を深めていく上で大切です。この「コンクールへ向けて必死練習、目の前の結果が何より大切」方式で、なんとか持つのはギリギリ高2あたりまででしょうか。中学で綻びが出始め、曲の量・難易度が上がってくる高校後半~大学でアップアップになってきます。興味よりも結果のモチベーションが先立っては、自意識が芽生えてくる頃から持たなくなります。

本番前しかエンジンがかからない、後は閑散期、のような練習が習慣づいていると、日々の積み重ねを軽視しがちです。これでは、後々辛くなってきます。コンクールをやるならば、他の教則本も並行する。それでコンクールの曲が手薄になり入賞できなくてもOK、ピアノの基本の方が何倍も大切、くらいに構えていて欲しいです。私の経験では、結果的にこちらの方が実力が伸びて、評価へも繋がる傾向にあります。

3、中3夏までにどこまで実力を伸ばせるか

受験する学校にもよりますが、入試曲の準備に入る前、中3夏までにどれくらい実力を伸ばせるか、を考えています。

目安までに・・・

バッハ・・・インヴェンションに小2~3年で入り10曲~15曲やってシンフォニアへ。生徒さんのペースにもよりますが、小学校終わる頃までにシンフォニアも同量見ておけるといいです。そして中学生で平均律へ。加えてフランス組曲を1つ(全曲)やっておきたいです。

教則本・・・ツェルニーへの賛否両論があるのは知っていますが、私はやった方がいいと思っている派です。ツェルニーでなくてもいいので、一定量のパッセージを指に染み込ませておくことを、小中時代にやっておくことの大切さを感じます。高校あたりから曲が難しくなってきた時に、指ができているかどうか、大事になってきます。現実的なところで、ツェルニー40番は中1までには終わりたい。その後、50番かモシュコフスキへ入っておきたいです。中学生のコンクールでショパンエチュードが課題になっていても、ツェルニーも並行してやっていきます。

曲・・・古典のソナタを重要視しています。中3入るあたりまでにベートーヴェン初期ソナタ1曲は全楽章やっておくといいと思います。1、5、6、8、91011番あたり。小学校高学年に、モーツァルトかハイドンのソナタ全楽章に取り組むのは、とてもいい勉強になるので、私のところではチャレンジしてもらっています。コンクールなどで、近現代やロマン派を勉強するチャンスは多いので、古典ソナタ全楽章を意識しています。

ソルフェージュは、受験にかかわらず、ピアノを一生懸命に学ぶのであれば、早めから別にトレーニングした方が実技にも良い影響があります。早ければ早いに越したことはないですが、小4あたりから、ソルフェージュ教室に通うことをオススメしたいです。受験対策としても、中1からは始めたいところです。

上記はあくまで目安。人それぞれペースがあるので、早い人は小学校低学年でインヴェンション終わる人もいると聞きますし、反対にゆっくりでも、「積み重ねる」ことが大切と考えています。例えば、高校生で課題で平均律やショパンエチュードはやるけれども、普段のレッスンではシンフォニアやツェルニー40番をやっている、というペースでもOK。順序立てて積み重ねていくことが、高校~大学へといい形で繋がっていきます。

次回は音大受験編です。

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