何だか、生々しいタイトルになってしまいました。新年度、コンクールや入試へ向けてなど、ピアノ学習の計画が本格化するこの時期。僭越ながら、モチベーション対処法のひとつになればと思い、書いてみました。

コンクールや入試へ準備をすることは、ある一定の「枠」に向けて一生懸命になります。そこでの評価を得ることがクリアの条件なのですから、当然と言えば当然。でも、立ち止まってみたいのは、この「枠」の外の世界もちゃんとある、という余白です。

「枠」によっては、「生きやすさ」も「生きにくさ」も産まれます。私が昔読んだ本。著者が学校に行けなくなり、親も自分も学校に行くことが絶対だと思っていたので、自分はダメな子だと思い続けてきた。でもある日、親が学校へ行くことを望まない国もある、つまり子供が労働力として稼働している国では、学校へ子供が取られてしまうのを親が嫌がると知って、目からウロコだった。学校に行くという自分の「絶対」は、「絶対」ではなかった… これがきっかけとなり、彼女は教育の研究に没頭し始めます。

自分が無意識に頭で括っている枠によって、自ら生きにくさをを創り出していることを、私自身日常でよく感じています。苦しいと感じた時には、まず信じている「枠」を疑ってみる。「〜でなくちゃダメ」なんて信じていたことは、上記のように価値観が変われば反転することもある。枠に閉じ込めないことで、生きやすさ・楽しい・面白いは増す、と感じるのです。

ここ数年、目に見えるわかりやすい「成果」より、長きに渡ってその人がどんな「生き方」をしているか、その姿勢の方がずっとストレートに心を動かされるようになりました。そして、「生き方」と「成果」は長期的な視点では、比例すると思います。

ピアノ学習は何かとお金やエネルギーがかかります。子供に「お金をかけた」投資回収を、コンクールや学校など、目先の成果に求めてしまうことは、人間の心情として理解できます。でも、こうして音楽を仕事にしている身として(現時点で)言えることは、その若かりし頃のコンクール歴や音大卒のプロフィールで仕事ができる程この世界も甘くない、ということです。学生時代というのはあくまで土台で、社会に出て幾つもの経験の中で失敗を繰り返したり学んだりしながら、スキルアップすること無しに仕事にはならない…どの職種も一緒です。だから親御さんの投資回収は、生き生きと「自立して仕事をする」というところまで、大きな目線を持ってもらいたい、と願うのです。

時代も日々移り変わり、予測のできない事態が起こるなか、私が今育てたいスキルは、音楽家として自立できる力に加えて「発想・創意工夫」です。音楽の中でこそ学べる、得意分野のスキルだと思います。これから生き残れる人たちは「新たに職業やマーケティングを作れる人」だとか。音楽業界も、そうなっていくことは予測できます。

この時期に、ちょっと考えてみたいテーマ、と思いました。ワクワクする、楽しい、興味が湧く、心が動くことへなら、人はめちゃくちゃ頑張れます。

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