ピアノを学ぶ上で必須のベートーヴェンソナタ。「取っつきにくい、わかりにくい」と感じる学習者が多いように思います。私自身も、実はベートーヴェンが好きになったのは20代、留学していた頃でした(今は好きな作曲家誰?と聞かれれば、ベスト3に入ります)。
なので、そういう「とっつきにくい」と感じている人は続けて読んでいただき、ベートーヴェン大好き!ソナタすごく面白い!と感じている人は、スルーしてくださいね。
ベートーヴェンは、社会情勢や価値観が現代とは違う、国・言葉も違う、楽器も今のようなピアノではない、、、こうしたことが「雰囲気」でつかみにくい、とっつきにくさに繋がっているようにも感じます。
そこで、誰でも近づける?!私流のアプローチ方法を紹介します。
1、次の4テイストのどれに近いか、感じてみる。
「森ベース」
「哲学/運命ベース」
「愛ベース」
「貴族(誇り高い系)ベース」
2つ重ねることことでつかみやすくなる作品もあると思いますし、例えば「愛ベース」4番(バベッテ)/24番(テレーゼ)/30番(マクシミリアーネ)など、献呈者や作品の経緯もヒントになります。
「どれにも当てはまらないなぁ」と思う時は、まず「森ベース」をお試しあれ。お散歩が好きだったベートーヴェンが光や風を感じながら、刻々と変化する森の様子を描いているのでは、と思う作品もあります。
2つ重ねる例としては、私は23番熱情は「哲学・運命ベース」と「森ベース」を掛け合わせるとイメージしやすいです。夜の怖い森、予言の鳥が鳴く・・・それを心の闇と合わせてイメージします。
そして次の要素を掛け算してみます。
2、構成
ばっちりソナタ形式のものから変形のものも多いので、構成をアナリーゼしてみましょう。
例:
12番/第1楽章はヴァリエーションで出来ている
13番/4楽章を続けて弾く単一の世界
14番(月光)/1楽章のない緩徐楽章から始まる
など。その作品の特徴がわかってきますね。テーマはとても大事。ソナタ形式であれば、第1主題と第2主題のキャラクター作りは念入りに。モチーフ型orメロディー型、特徴を掴んでおくとよいと思います(例えば18番ソナタ1楽章なら、第1主題はモチーフ型、第2テーマはメロディー型)。
なんとなくイメージができてきたでしょうか。ここを押し進めて、更に奥の世界へ。ベートーヴェンの革新的なソナタから、たくさんの気づきやエネルギーをもらうと思います。