スタッカート、アクセント、強弱、ニュアンス表示も含め、作曲家が書いた譜面の全てのインフォメーションを、ひとつ残らず演奏してみたい、と思うことがあります。そこに、和声、フレーズ、構成、転調など読んでいくのですから、ある程度、動きの段階で「弾けている」次元にするのも、かなりのエネルギーを要します。
でも、きっとその次元で人の心を動かすことは難しく、その上にある「響き」の三次元、そして四次元へといざなえるのが、音楽の真骨頂。
イマジネーション、タッチ、識別できる耳、空間感覚。耳から入る響きを、「視覚」「触覚」「心理的変化」など、違う感覚へ働きかける質にできるかどうか。今風に言えば、サウンドの「萌え」ポイントを、いかに立ち上がらせることができるか。
三次元の世界は、抽象的で感覚的な部分も多く、ここのクリエイティブな学習の体系化が、指導の現場で更に活発になっていくのでは、と個人的には思っています。教えられない感覚と割り切らず、自ら人体実験もしながら、探っていきたいです。
サウンドがより「リアル」な時代が来ていると思います。譜面からこんなことが起こるなんて、ホント凄い世界。